船橋市の訳あり物件:八木が谷・法典に多い旧耐震の空き家と、43条ただし書き・解体助成
船橋市は、駅を中心に市街化が進んだことで空き家率が全国や千葉県より低い市ですが、市の計画は「接道が取れない、がけ地などの理由で再建築が困難な空家等もあり、所有者が売却の意思を示しても買い手がつかない場合がある」としています※1。建て替えの可否は、市の43条ただし書きの許可基準(平成11年5月1日に存在し2戸以上の建物がある道、延長60m以下など)で決まります※2。
船橋市の特徴
- 市は、空き家率が全国・千葉県より低い理由を、鉄道駅を中心に市街化が図られ、医療・商業・公共施設が身近に配置された都市構造にあるとしている。一方でJR沿線の西部・南部は転入超過、東部・中部・北部は高齢化と人口減という地域差がある※1
- 市の実態調査では、空家の数は八木が谷地区が最も多く220件、次いで法典地区213件(机上調査)。所有者への調査で空家と確認できたものも、八木が谷47件、法典・新高根芝山が各39件で多い※1
- 空家の6割以上が昭和56年以前の建築で、所有者の6割以上が60代以上。使われなくなった理由は「相続で取得したが入居していない」が最も多い。市内の住宅の約2割が旧耐震※1
- 許可の対象になる道は、平成11年5月1日に既に存在し、一般の交通に使われていて、2戸以上の建物があること(所有者が同一でもよい)※2
- 道の延長は原則60m以下。両端が道路に接続している場合や、現況幅6m以上の場合は例外※2
- 包括同意基準(令和6年11月20日施行)の対象は、潮見町・高瀬町・浜町三丁目・日の出一丁目・日の出二丁目・湊町三丁目・若松三丁目の準工業地域などにある、公的機関が管理する幅4m以上の農道等に限られる。それ以外は個別に建築審査会の同意が要る※3
船橋市では、通路にしか接していない家を売るとき、「道沿いに2戸以上の建物が平成11年から建っていたか」「奥の家が後退に同意するか」で、建て替えられる建物の中身が変わります。同意が取れない場合の基準では、用途が一戸建てなどに絞られ、階数も2以下になります(編集部の整理です)。
出典:※1 船橋市「船橋市空家等対策計画 中間見直し(素案)」、※2 船橋市「船橋市建築基準法第43条第2項第2号許可基準」、※3 船橋市「船橋市建築基準法第43条第2項第2号の規定による許可に係る包括同意基準」
船橋市の制度
43条ただし書き(43条2項2号)の許可
船橋市建築基準法第43条第2項第2号許可基準
- 現況幅4m以上の道:平成11年5月1日に存在し2戸以上の建物がある、将来も幅4m以上の道として一般の交通に使うことへの関係権利者の同意、延長60m以下(両端接続や幅6m以上は例外)、排水施設があること。階数は原則3以下(現況幅5m以上なら例外)
- 現況幅1.8m以上の道:現況の幅が確保され、将来4mの道として整備することへの関係権利者の同意。延長60m以下(両端接続は例外)。階数は原則3以下
- 喉元の敷地が後退に同意しない場合:将来、喉元の敷地を除いて幅4mに整備することへの同意が必要。建てられるのは一戸建ての住宅、兼用住宅、延べ面積100平方メートル以下の長屋・共同住宅で、階数は原則2以下
- 公園・緑地・広場に2m以上接する敷地、農道など幅4m以上の公共の道に接する敷地、河川・水路・里道などを挟んで道路に接する敷地の基準もある
- 許可・認定の申請では、千葉県建築基準法施行条例の審査もある。まず事前相談が必要※4
出典 ※2 船橋市/確認日 2026-09-21
旧耐震の木造住宅の解体の助成
木造住宅除却助成事業(令和8年度)
- 対象:昭和56年5月以前に新築された平屋または2階建ての木造住宅(在来軸組工法の一戸建て・併用住宅)で、耐震診断調査票で倒壊の危険性があると判断されたもの、または耐震診断の上部構造評点が1.0未満のもの
- 助成:除却工事費の23%(上限30万円)
- 所有者が複数いる場合は全員の同意が必要。法人は対象外
- 工事の契約前に交付申請し、交付決定通知を受け取る必要がある。受付の締切は令和8年11月30日(予算に達し次第終了)
- 代理受領制度を使えば、申請者は除却費と助成金の差額だけを用意すればよい
出典 ※5 船橋市/確認日 2026-09-21
出典:※2 船橋市「船橋市建築基準法第43条第2項第2号許可基準」、※4 船橋市「敷地等と道路との関係における許可・認定(建築基準法第43条第2項)」、※5 船橋市「木造住宅除却助成事業」
売る前に確かめること
- 前の道が建築基準法の道路か、43条の許可が必要な道か(建築指導課への事前相談)
- その道が平成11年5月1日に存在し、2戸以上の建物が建っていたか。延長が60mを超えていないか
- 将来4mに広げることについて、道沿いの関係権利者の同意が取れるか。喉元の敷地の所有者が後退に同意するか
- 同意が取れない場合、建てられるのが一戸建てや延べ100平方メートル以下の長屋・共同住宅、2階以下になることを買主に説明できるか
- 解体してから売るなら、耐震診断調査票で倒壊の危険性があると判断されるか。工事の契約前に交付申請したか
千葉県全体の状況は 千葉県の訳あり物件 にまとめています。
内容は、2026年9月21日に船橋市の公式資料で確認したものです。助成は予算の範囲内で、年度ごとに内容が変わることがあります。
出典
- 船橋市「船橋市空家等対策計画 中間見直し(素案)」(令和3年度〜令和12年度) https://www.city.funabashi.lg.jp/shisei/jouhoukoukai/004/02/0141/p142115_d/fil/siryo3.pdf /確認日 2026-09-21
- 船橋市「船橋市建築基準法第43条第2項第2号許可基準」 https://www.city.funabashi.lg.jp/jigyou/kenchiku_kaihatsu/003/007/p131211_d/fil/kyokakizyun.pdf /確認日 2026-09-21
- 船橋市「船橋市建築基準法第43条第2項第2号の規定による許可に係る包括同意基準」(令和6年11月20日施行) https://www.city.funabashi.lg.jp/jigyou/kenchiku_kaihatsu/003/007/p131211_d/fil/houkatukizyun.pdf /確認日 2026-09-21
- 船橋市「敷地等と道路との関係における許可・認定(建築基準法第43条第2項)」 https://www.city.funabashi.lg.jp/jigyou/kenchiku_kaihatsu/003/007/p131211.html /確認日 2026-09-21
- 船橋市「木造住宅除却助成事業」(令和8年6月10日更新) https://www.city.funabashi.lg.jp/machi/juutaku/006/p010090.html /確認日 2026-09-21
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