共有持分の売り方と手放し方:自分の持分だけ売れるか、全員の同意が要る場面、分割請求
共有持分とは
SUUMOは、共有持分は不動産を複数人で共有しているときにそれぞれが持っている所有権の割合で、土地を物理的に切り分けたものではなく、持分に応じて共有物全体について権利を持っている状態だと説明しています。自分の持分は、登記事項証明書の権利部(甲区)で確かめられます※1。民法も、各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができると定めています※4。
相続人が数人いるときは、相続財産はその共有に属します※4。東急リバブルは、遺言で取得者が指定されていない場合、遺産分割協議がまとまるまでは、法定相続分に応じて相続人全員で共有している状態になると説明しています※5。
出典:※1 リクルート(SUUMO)「共有持分は売却できる?仕組み・売る方法・トラブル回避のポイント」、※4 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」、※5 東急リバブル(Lnote)「不動産の共有名義とは?単独名義との違いやメリット、デメリットを解説」
一人でできること、全員の同意が要ること
| 行為 | 例 | 必要な同意 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 建物の修繕など、現状を保つこと | 各共有者が一人でできる(民法第252条第5項) |
| 管理 | 短期の賃貸(建物は3年、土地は5年を超えないもの)、管理者の選任など | 持分の価格の過半数(第252条第1項・第4項) |
| 変更 | 建て替えなど、形状や効用の著しい変更を伴うもの | ほかの共有者全員の同意(第251条第1項) |
| 不動産全体の売却 | 土地・建物をまとめて第三者に売る | 共有者全員の同意 |
| 自分の持分の売却 | 自分の持分だけを売る・贈与する | ほかの共有者の同意は不要 |
上の3行は民法の条文 ※4 、下の2行はSUUMO ※1 と東急リバブル ※2 の解説によります。東急リバブルは、自分の持分だけの売却は「1階部分だけ」「土地の一角だけ」のように物理的に一部を売るのではなく、あくまで持っている持分だけの売却になると説明しています※2。
出典:※1 リクルート(SUUMO)「共有持分は売却できる?仕組み・売る方法・トラブル回避のポイント」、※2 東急リバブル(Lnote)「共有名義の不動産売却はどう進める?手順・税金・トラブル対策を網羅」、※4 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」
手放す方法は4つある
| 方法 | 同意 | 価格の目安と注意点 |
|---|---|---|
| ほかの共有者に売る | 買う共有者との合意 | 市場価格×持分割合が目安。相手に資金がないと成立しにくい |
| 全員で第三者に売る | 共有者全員 | 市場の相場に近い価格で売れる可能性が高い。買取なら相場の7〜8割程度 |
| 自分の持分だけを第三者に売る | 不要 | 買い手が限られ、価格が下がりやすい。市場価格の3〜6割程度になる可能性 |
| 裁判所に共有物の分割を請求する | 不要(裁判所が分け方を決める) | 現物で分ける、ほかの共有者が買い取る、競売して代金を分ける |
共有者に売る場合の目安と3〜6割はLIFULL HOME’S ※3 、全員で売る場合と買取の7〜8割はSUUMO ※1 、分割の方法は民法第258条 ※4 によります。持分だけを売る場合の割合を示しているのはLIFULL HOME’Sで、SUUMOも買い手が限られ価格が下がりやすいとし※1、東急リバブルも持分だけの売却は現実的に難しいと説明しています※5。くわしくは 共有持分の売却 と 共有物分割請求 で説明しています。
出典:※1 リクルート(SUUMO)「共有持分は売却できる?仕組み・売る方法・トラブル回避のポイント」、※3 LIFULL(LIFULL HOME'S)「不動産の共有持分は売却できる?方法や相場・トラブル事例も紹介」、※4 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」、※5 東急リバブル(Lnote)「不動産の共有名義とは?単独名義との違いやメリット、デメリットを解説」
共有者の所在が分からないとき
SUUMOは、共有者が増えると連絡が取れない人が出てきて、管理や売却が著しく困難になると説明しています※1。東急リバブルも、共有者の一部が不明な状態では売却に必要な同意を得られず、手続きを進めるのが難しくなるとしています※2。
民法には、共有者が他の共有者を知ることができない、またはその所在を知ることができない場合に、裁判所が関わる制度があります※4。
| 制度 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 変更の裁判 | 所在の分からない共有者以外の共有者の同意で、共有物に変更を加えられる | 民法第251条第2項 |
| 管理の裁判 | 所在の分からない共有者以外の共有者の持分の過半数で、管理に関する事項を決められる | 民法第252条第2項 |
| 持分の取得 | 所在の分からない共有者の持分を、請求した共有者が取得する(相手は時価相当額を請求できる) | 民法第262条の2 |
| 持分の譲渡 | ほかの共有者全員が持分を特定の人に譲ることを条件に、所在の分からない共有者の持分も譲る権限を与える | 民法第262条の3 |
表は条文をもとに編集部がまとめたものです※4。持分が相続財産に属していて遺産分割をすべき場合は、相続開始から10年を過ぎないと、持分の取得・譲渡の裁判はできません※4。手続きは弁護士や司法書士に相談してください。
出典:※1 リクルート(SUUMO)「共有持分は売却できる?仕組み・売る方法・トラブル回避のポイント」、※2 東急リバブル(Lnote)「共有名義の不動産売却はどう進める?手順・税金・トラブル対策を網羅」、※4 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」
相続で共有になったとき
共有物の全部または持分が相続財産に属し、共同相続人の間で遺産分割をすべきときは、民法第258条の共有物分割の手続きではなく、遺産分割で分けることになります。ただし、相続開始から10年を過ぎたときは、相続人が異議を申し出ない限り、共有物分割の手続きで分けることもできます※4。
東急リバブルは、共有者が亡くなるとその持分が相続の対象になり、共有者の誰かが認知症になると売却の同意を得ることが法的に難しくなるとしています※5。共有の期間が長くなるほど整理は難しくなるため、相続の段階で誰が引き継ぐかを決めておくのが近道です(編集部の整理です)。相続したときの手続きと期限は 相続で共有になった不動産 、共有で起きやすい問題は 共有持分のデメリットとトラブル で説明しています。
法令の記述は、2026年9月時点で有効な条文(e-Gov法令検索で確認)にもとづいています。
出典:※4 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」、※5 東急リバブル(Lnote)「不動産の共有名義とは?単独名義との違いやメリット、デメリットを解説」
よくある質問
- 自分の共有持分だけを売るのに、ほかの共有者の同意は要りますか?
- 要りません。共有者はそれぞれ自分の持分を自由に処分でき、ほかの共有者の同意なしに第三者に売ったり贈与したりできます。不動産全体を売るには全員の同意が必要です。
- 共有持分はいくらで売れますか?
- ほかの共有者に売る場合は市場価格×持分割合が目安です。第三者に持分だけを売る場合、LIFULL HOME’Sは市場価格の3〜6割程度になる可能性があるとしています。
- 共有者が売却に反対したらどうなりますか?
- 不動産全体は売れません。自分の持分だけを売るか、ほかの共有者に買い取ってもらうか、裁判所に共有物の分割を請求する方法があります。
- 共有者と連絡が取れないときはどうすればよいですか?
- 所在が分からない共有者がいる場合、裁判所の手続きで、その持分を取得したり、全体を売るために譲渡する権限を得たりできる制度があります。弁護士や司法書士に相談してください。
出典
- リクルート(SUUMO)「共有持分は売却できる?仕組み・売る方法・トラブル回避のポイント」(2025年12月23日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20251223/003 /確認日 2026-09-20
- 東急リバブル(Lnote)「共有名義の不動産売却はどう進める?手順・税金・トラブル対策を網羅」(2026年5月20日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/g12053/ /確認日 2026-09-20
- LIFULL(LIFULL HOME'S)「不動産の共有持分は売却できる?方法や相場・トラブル事例も紹介」(2025年4月3日公開) https://www.homes.co.jp/satei/media/entry/202503/1101 /確認日 2026-09-20
- e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(令和8年6月24日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 /確認日 2026-09-20
- 東急リバブル(Lnote)「不動産の共有名義とは?単独名義との違いやメリット、デメリットを解説」(2026年5月13日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/4610/ /確認日 2026-09-20
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共有持分の買取に対応する提携サービス
ワケガイ
- 運営会社
- 株式会社ネクスウィル
- 宅建業免許
- 国土交通大臣(1)第10481号
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- 共有持分・共有名義/空き家・ゴミ屋敷/再建築不可・借地・底地/事故物件・心理的瑕疵/リースバック
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出典:株式会社ネクスウィル「ワケガイ 公式サイト(よくあるご質問・物件カテゴリ)」(確認日 2026-09-20)