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既存不適格と違反建築の違い:見分け方と、売るときに変わること

公開 次回更新予定 2027-04編集責任者 鈴木 章悟

既存不適格は、建てたときは適法だったのに、その後の法改正や都市計画の変更で今の基準に合わなくなった建物です(建築基準法第3条第2項)※1違反建築は、建てたときや増築したときから基準に違反している建物で、特定行政庁は所有者などに是正の措置を命じることができます(同法第9条第1項)※1売るときの差は「是正を求められるかどうか」で、既存不適格は今すぐ直す義務はない一方、増築や建て替えでは原則として現行の基準に合わせることになります(同法第3条第3項)※1
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目次
  1. どちらに当たるかの見分け方
  2. 既存不適格でも「今のまま」でよいとは限らない
  3. 違反建築なら、命令は所有者にも向く
  4. 売るときに変わること
  5. 売る前に確かめること

どちらに当たるかの見分け方

手がかりは、建てたときの書類と現況の差です。東急リバブルは、既存不適格建築物は建築時には法令に適合していたが、その後の法改正や都市計画の変更で現行法に適合しなくなった建物だとしています※2。一方で、竣工後にサンルームを増築して床面積が規制を超えた建物のように、後から違反になる例も挙げています※2

  • 確認済証・検査済証があるか。検査済証があれば、完了検査の時点では適法だったことの手がかりになる
  • 確認申請の内容(建築計画概要書)と現況の面積・階数・用途が一致しているか。違えば増築や用途変更が疑われる
  • いつ基準に合わなくなったか。建築基準法施行令は、適用を受けなくなった期間の始まりを「基準時」と定めています(施行令第137条)※3
  • 役所(特定行政庁)の建築指導の窓口で、確認や検査の記録(台帳)を確かめる

出典:※2 東急リバブル(Lnote)「既存不適格建築物とは?違反建築物との違いや購入時の注意点を解説」、※3 e-Gov法令検索「建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)」

既存不適格でも「今のまま」でよいとは限らない

建築基準法第3条第2項は、法令の施行・適用のときに現に存在する建築物が規定に適合しない場合、その規定を適用しないとしています※1。ただし同条第3項は、増築・改築・大規模の修繕などをする場合には第2項を適用しないとしており、工事をするときは原則として現行の基準に合わせることになります※1

その例外として、第86条の7は、政令で定める範囲内の増築などについては現行の規定を適用しないとしています※1。範囲は規定ごとに細かく、たとえば構造耐力については、増築・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の20分の1(50平方メートルを超える場合は50平方メートル)以内か、2分の1以内かなどで求められる基準が変わります(施行令第137条の2)※3。どこまでできるかは建築士と特定行政庁への確認が前提になります(編集部の整理です)。

出典:※1 e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」、※3 e-Gov法令検索「建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)」

違反建築なら、命令は所有者にも向く

建築基準法第9条第1項は、違反した建築物や敷地について、建築主や工事の請負人だけでなく、建築物や敷地の所有者・管理者・占有者に対しても、工事の停止や、除却・移転・改築・使用禁止など違反を是正するために必要な措置を命じることができるとしています※1。つまり、建てた人でなくても、買った人が是正を求められることがあります。

この命令に違反した者は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に処するとされています(同法第98条第1項第1号)※1

出典:※1 e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」

売るときに変わること

項目 既存不適格 違反建築
今すぐの是正 求められない(第3条第2項) 是正の措置を命じられることがある(第9条第1項)
建て替え・増築 原則は現行基準に合わせる。政令の範囲内は緩和(第86条の7) 違反の状態を直すことが前提
買主の資金 金融機関により判断が分かれる 住宅ローンの審査に通りにくいとされる

表は建築基準法と、下の民間各社の解説をもとに編集部がまとめたものです。SUUMOが紹介する不動産会社は、現況が違法状態の物件は程度にもよるものの多くの金融機関で審査に通らない一方、建ぺい率や容積率のオーバーが数%程度なら融資する金融機関もあるとしています※4。LIFULL HOME’Sは、増築の面積が小さく確認申請が不要だったために、違法と知らないまま所有している場合があるとしています※5

出典:※4 リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」、※5 LIFULL(LIFULL HOME'S)「違法建築物件は売却できる?方法や注意点を徹底解説」

売る前に確かめること

  1. 確認済証・検査済証と、建築計画概要書の内容(面積・階数・用途)が現況と合っているか
  2. 合っていない場合、いつ・誰が工事をしたか(建てたときからか、後の増築か)
  3. 役所の建築指導の窓口に、是正の指導や命令の履歴がないか
  4. 建て替えの見込み(現行基準に合わせるとどの程度の建物になるか)を建築士に確認したか
  5. 買主に説明する内容を、書面で整理できているか

関連するページは 既存不適格違反建築物 にまとめています。

出典

  1. e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」(令和8年5月27日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 /確認日 2026-09-20
  2. 東急リバブル(Lnote)「既存不適格建築物とは?違反建築物との違いや購入時の注意点を解説」(2025年10月8日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/s52444/ /確認日 2026-09-20
  3. e-Gov法令検索「建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)」(令和7年12月1日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338 /確認日 2026-09-20
  4. リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」(2026年9月17日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260917/005 /確認日 2026-09-21
  5. LIFULL(LIFULL HOME'S)「違法建築物件は売却できる?方法や注意点を徹底解説」(2026年4月27日公開) https://www.homes.co.jp/satei/media/entry/equipment003 /確認日 2026-09-20
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