違反建築物の是正命令と罰則:所有者になった人にも命じられるのか
是正命令は誰に向くのか
建築基準法第9条第1項は、建築基準法令の規定や許可の条件に違反した建築物・敷地について、建築主、工事の請負人(下請人を含む)、現場管理者のほか、その建築物や敷地の所有者・管理者・占有者に対しても、工事の停止や、除却・移転・改築・増築・修繕・模様替・使用禁止・使用制限など、違反を是正するために必要な措置を命じることができるとしています※1。
つまり、自分が建てた建物でなくても、相続や購入で所有者になった人が命令の相手になりえます。売買の前に、役所の建築指導の窓口で指導や命令の履歴を確かめる意味はここにあります(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」
命令までの流れと、その後
- 命令をしようとするときは、あらかじめ命令の内容・理由・意見書の提出先と期限を書いた通知書が交付され、意見書と証拠を出す機会が与えられる(第9条第2項)※1
- 通知書の交付を受けた人は、交付から3日以内に、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を請求できる(同条第3項)※1
- 命令を受けた人が履行しない、履行しても十分でない、期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法に従って特定行政庁が自ら行い、または第三者に行わせることができる(同条第12項)※1
- 命令をした場合、標識の設置などの方法で公示される。標識は対象の建築物や敷地の中に設置でき、所有者・管理者・占有者はその設置を拒んだり妨げたりできない(同条第13項・第14項)※1
また、命令をした場合、特定行政庁は、その建築物の設計者・工事監理者・請負人のほか、その建築物について取引をした宅地建物取引業者の氏名などを、免許や許可を監督する大臣・知事に通知しなければならないとされています(同法第9条の3)※1。仲介する不動産会社が違反の状態に慎重なのは、この規定とも関係します(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」
「古いから見逃される」とは限らない
是正命令に時効の定めはなく、法は命令の相手に現在の所有者・管理者・占有者を含めています(第9条第1項)※1。加えて、第3条第2項で現行基準の適用を受けない建物(既存不適格)でも、劣化が進んで著しく保安上危険・衛生上有害と認められる場合は、除却や修繕などの勧告・命令の対象になります(第10条)※1。
出典:※1 e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」
売るときの選び方
| 状況 | 考えられる進め方 |
|---|---|
| 是正すれば基準に収まる | 是正してから仲介で売る(買主が住宅ローンを使いやすい) |
| 是正に費用がかかる・技術的に難しい | 現状のまま買取に出し、価格で調整する |
| すでに指導や命令を受けている | 命令の内容と期限を確認し、買主に書面で説明する |
表は建築基準法と、下の民間各社の解説をもとに編集部がまとめたものです。SUUMOが紹介する不動産会社は、現況が違法状態の物件は程度にもよるものの多くの金融機関で住宅ローンの審査に通らない一方、建ぺい率や容積率のオーバーが数%程度であれば融資する金融機関もあるとしています※2。LIFULL HOME’Sは、違法建築物は売却しにくく、買主が見つかりにくいとしています※3。
出典:※2 リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」、※3 LIFULL(LIFULL HOME'S)「違法建築物件は売却できる?方法や注意点を徹底解説」
売る前に確かめること
- 役所の建築指導の窓口に、指導・命令の履歴や標識の設置がないか
- 違反の内容(建ぺい率・容積率・用途・接道など)と、是正に必要な工事と費用の見積り
- 命令を受けている場合、その期限と、売買のスケジュールが矛盾しないか
- 買主に説明する内容と、契約不適合責任をどう扱うかを書面で整理できているか
違反建築と既存不適格の見分け方は 既存不適格と違反建築の違い、無断増築の売り方は 無断増築の家を売るとき にまとめています。
出典
- e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」(令和8年5月27日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 /確認日 2026-09-20
- リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」(2026年9月17日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260917/005 /確認日 2026-09-21
- LIFULL(LIFULL HOME'S)「違法建築物件は売却できる?方法や注意点を徹底解説」(2026年4月27日公開) https://www.homes.co.jp/satei/media/entry/equipment003 /確認日 2026-09-20
違反建築物の買取に対応する提携サービス
ワケガイ
- 運営会社
- 株式会社ネクスウィル
- 宅建業免許
- 国土交通大臣(1)第10481号
- 対象物件
- 共有持分・共有名義/空き家・ゴミ屋敷/再建築不可・借地・底地/事故物件・心理的瑕疵/リースバック
- 対応エリア
- 全国
- 相談から3営業日以内に査定金額を提示し、納得すれば最短で翌営業日に買取完了(公式サイトのよくある質問)
- 買取のため仲介手数料は不要(同)
- 全国47都道府県の買取事例を公式サイトで公開
出典:株式会社ネクスウィル「ワケガイ 公式サイト(よくあるご質問・物件カテゴリ)」(確認日 2026-09-20)