未登記の建物を相続したら:固定資産税(家屋補充課税台帳)、名義変更の届出、売る前の表題登記
未登記でも固定資産税はかかる
地方税法は、固定資産税を課す「所有者」を、登記簿のほか、土地補充課税台帳や家屋補充課税台帳に所有者として登録されている者としています。家屋補充課税台帳は、登記簿に登記されていない家屋を登録する台帳です(第341条・第343条)※1。つまり、登記がなくても、市区町村が家屋を把握していれば課税されます。固定資産税の課税明細書に、家屋番号のない家屋が載っていれば、未登記の可能性があります(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)」
相続したときの届出
地方税法は、登記簿や補充課税台帳に所有者として登録されている人が亡くなったときは、その家屋を現に所有している人(現所有者)に課税するとし(第343条第2項)、市町村長は現所有者に、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日以後の日までに申告させることができると定めています(第384条の3)※1。
未登記の建物は相続登記ができないため、多くの市区町村では「未登記家屋の所有者(名義)変更届」などの名前で、課税台帳の名義を相続人に変える手続きを用意しています。書類の名前や必要書類は市区町村ごとに違うので、資産税(固定資産税)の担当課に確認してください(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)」
売る・相続登記をするなら表題登記から
東急リバブルは、未登記の建物は所有権保存登記もできず、誰が所有者か公的に証明されないため、不動産売買では少なくとも建物表題登記が完了している必要があり、相続で登記名義を変える場合も前提として表題登記と所有権保存登記が必要だとしています※2。SUUMOが紹介する土地家屋調査士も、古くから所有されている家では相続や売却のときに建物の登記がなかったことが分かるケースが少なくなく、その場合は相続登記や所有権移転登記の前に表題部を起こさなければならないとしています※3。
| やりたいこと | 必要な手続き |
|---|---|
| 相続して持ち続ける | 市区町村への名義変更の届出。あわせて表題登記(取得から1か月以内の義務) |
| 相続して売る | 表題登記 → 所有権保存登記 → 売買による所有権移転登記 |
| 取り壊して土地を売る | 解体後、市区町村の担当課に取り壊したことを伝え、課税を止める |
表は不動産登記法 ※4、東急リバブル ※2、SUUMO ※3 の内容をもとに編集部がまとめたものです。
出典:※2 東急リバブル(Lnote)「表題登記は自分でできる?費用や必要書類を紹介」、※3 リクルート(SUUMO)「表題登記とは?表示登記との違いや費用、自分で申請する流れを全解説」、※4 e-Gov法令検索「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)」
表題登記の義務と費用
不動産登記法は、表題登記がない建物の所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければならないと定め(第47条)、怠ると10万円以下の過料の対象になります(第164条)※4。費用の目安は解説によって違い、東急リバブルは土地家屋調査士の報酬相場を8〜12万円前後※2、SUUMOは10〜15万円程度で、未登記で図面がない場合は20〜30万円程度かかることもあるとしています※3。
土地の相続登記は、相続を知った日から3年以内の義務です※5(相続登記の義務化)。建物の表題登記と一緒に土地家屋調査士・司法書士に相談すると、手続きをまとめて進めやすくなります(編集部の整理です)。
出典:※2 東急リバブル(Lnote)「表題登記は自分でできる?費用や必要書類を紹介」、※3 リクルート(SUUMO)「表題登記とは?表示登記との違いや費用、自分で申請する流れを全解説」、※4 e-Gov法令検索「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)」、※5 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
遺産分割協議書にも書いておく
未登記の建物も相続財産です。遺産分割協議書には、課税明細書などに記載された所在・家屋番号がない旨・種類・構造・床面積を書き、誰が相続するかを明記しておくと、後の名義変更や表題登記で所有権を示す資料になります(編集部の整理です)。東急リバブルは、表題登記の所有権を証明する書類として、建築確認の書類のほか、工事請負契約書や固定資産税の納付証明書なども挙げています※2。
法令の記述は、2026年9月時点で有効な条文(e-Gov法令検索で確認)にもとづいています。
出典:※2 東急リバブル(Lnote)「表題登記は自分でできる?費用や必要書類を紹介」
よくある質問
- 未登記の建物にも固定資産税はかかりますか?
- かかります。登記されていない家屋は市区町村の家屋補充課税台帳に登録され、そこに所有者として登録された人に課税されます。
- 未登記の建物を相続したら何をすればよいですか?
- 市区町村の資産税担当に課税台帳の名義変更を届け出て、表題登記を申請します。売る場合は表題登記と所有権保存登記を済ませる必要があります。
- 未登記の建物を取り壊したら登記は必要ですか?
- 登記がないので滅失登記はありませんが、課税を止めるため、市区町村の担当課に取り壊したことを伝えてください。
出典
- e-Gov法令検索「地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)」(令和8年7月31日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 /確認日 2026-09-20
- 東急リバブル(Lnote)「表題登記は自分でできる?費用や必要書類を紹介」(2025年5月22日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/s17572/ /確認日 2026-09-20
- リクルート(SUUMO)「表題登記とは?表示登記との違いや費用、自分で申請する流れを全解説」(2026年6月23日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260623/001 /確認日 2026-09-20
- e-Gov法令検索「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)」(令和8年6月24日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 /確認日 2026-09-20
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(令和7年3月27日現在) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html /確認日 2026-09-20
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出典:株式会社ネクスウィル「ワケガイ 公式サイト(よくあるご質問・物件カテゴリ)」(確認日 2026-09-20)