事故物件を告知せずに売るとどうなるか:契約不適合責任、免責特約が効かない場合、損害賠償
黙って売ったときに買主が求められること
| 買主の権利 | 内容 |
|---|---|
| 追完の請求 | 引き渡した物が契約の内容に適合しないとき、修補などを求める(第562条) |
| 代金の減額 | 追完がないときなどに、不適合の程度に応じて代金の減額を求める(第563条) |
| 損害賠償・解除 | 上の権利とは別に、損害賠償の請求や契約の解除もできる(第564条) |
表は民法 ※1 をもとに編集部がまとめたものです。人の死に関する事実のように修補できないものは、実際には代金の減額・損害賠償・解除が問題になります(編集部の整理です)。三井のリハウスも、告知義務を果たさずに売ると、買主から損害賠償や契約解除を求められる可能性があるとしています※5。
出典:※1 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」、※5 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「事故物件を売却するには?告知義務や売るためのコツを紹介」
「免責」の特約があっても責任は残る
民法第572条は、売主が担保の責任を負わない旨の特約をしても、知りながら告げなかった事実については責任を免れることができないと定めています※1。買取業者に売るときは契約不適合責任を免責にすることが多いとされますが※2※4、事故を知りながら伝えなかった場合は、この免責に頼れないことになります(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」、※2 LIFULL(LIFULL HOME'S)「事故物件でも売却できる? 告知義務の判断基準や価格への影響、具体的な対策まで解説」、※4 リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」
「いつまで」責任を問われるか
民法第566条は、種類・品質の不適合について、買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しなければ、追完・減額・損害賠償・解除を求められなくなると定めています。ただし、売主が引渡しの時に不適合を知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合はこの制限がありません※1。知りながら黙って売った場合は、1年の期間制限で守られないことになります(編集部の整理です)。
出典:※1 e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」
告知書が自分を守る記録になる
国土交通省のガイドラインは、後日トラブルとなり訴訟などに発展した場合でも告知書などが証拠資料になり得るとし、不動産会社が売主に適切な記載を求めて買主に交付することが、トラブルの未然防止と迅速な解決に有効だとしています※3。また、不動産会社は売主に対し、事案の存在を故意に告知しなかった場合などは民事上の責任を問われる可能性があることを、あらかじめ伝えることが望ましいとしています※3。
出典:※3 国土交通省 不動産・建設経済局 不動産業課「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(本文)」
迷ったら伝える
- 三井のリハウスは、引渡し後に近隣から買主に伝わってトラブルになることもあるため、告知義務がないと思われるものでも基本的には告知するのがおすすめだとしています※5。
- SUUMOが紹介する不動産会社は、悪気なく告知義務違反になってしまうこともあるため、告知すべきかどうかを自分で判断せず、知っていることはすべて不動産会社に伝えてほしいとしています※4。
- 一方、国のガイドラインは、自然死やすぐに発見された日常生活の中の不慮の死などは原則として告げなくてよいと整理しています。ただし買主から聞かれた場合は告げる必要があります※3。
告げる範囲の整理は 事故物件の売却、書き方は 告知書の書き方 で説明しています。
法令の記述は、2026年9月時点で有効な条文(e-Gov法令検索で確認)にもとづいています。個別の紛争については弁護士に相談してください。
出典:※3 国土交通省 不動産・建設経済局 不動産業課「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(本文)」、※4 リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」、※5 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「事故物件を売却するには?告知義務や売るためのコツを紹介」
よくある質問
- 事故物件だと言わずに売ったらどうなりますか?
- 買主から代金の減額、損害賠償、契約の解除などを求められるおそれがあります。数百万円から数千万円規模の損害賠償が命じられたケースもあるとされています。
- 「現状有姿・免責」で売れば責任を負いませんか?
- 民法第572条により、免責の特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れません。
- 買主から責任を問われるのは何年までですか?
- 品質の不適合は、買主が知った時から1年以内の通知が原則ですが、売主が引渡しの時に知っていた場合はこの制限がありません。
出典
- e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(令和8年6月24日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 /確認日 2026-09-20
- LIFULL(LIFULL HOME'S)「事故物件でも売却できる? 告知義務の判断基準や価格への影響、具体的な対策まで解説」(2025年12月25日公開) https://www.homes.co.jp/satei/media/entry/202512/2501 /確認日 2026-09-20
- 国土交通省 不動産・建設経済局 不動産業課「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(本文)」(令和3年10月) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001426603.pdf /確認日 2026-09-20
- リクルート(SUUMO)「訳あり物件の売却方法とは?事故物件・再建築不可など種類別の売り方と注意点」(2026年9月17日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260917/005 /確認日 2026-09-21
- 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「事故物件を売却するには?告知義務や売るためのコツを紹介」(2025年7月16日更新) https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0104/ /確認日 2026-09-20
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出典:株式会社ネクスウィル「ワケガイ 公式サイト(よくあるご質問・物件カテゴリ)」(確認日 2026-09-20)