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相続土地国庫帰属制度の使い方:費用(手数料・負担金)、申請できない土地、却下・不承認の理由と件数

公開 次回更新予定 2027-04編集責任者 鈴木 章悟

相続土地国庫帰属制度は、相続などで取得した土地を国に引き取ってもらう制度です。法務省の統計では、令和8年8月31日現在で申請5,997件のうち3,119件が国に帰属しています※1。費用は審査手数料が1筆1万4,000円、承認されると負担金(宅地・農地・森林以外は20万円、市街化区域の宅地などは面積で加算)を納めます※2。建物がある土地や境界が明らかでない土地は申請できず、却下の理由では境界と通路が多くなっています※3※1
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目次
  1. 申請と帰属の件数
  2. 申請できない土地・承認されない土地
  3. 費用:審査手数料と負担金
  4. 申請の前に確かめること
  5. よくある質問

申請と帰属の件数

項目 件数(令和8年8月31日現在)
申請 5,997件(田・畑2,335、宅地2,091、山林902、その他669)
帰属 3,119件(宅地1,164、農用地989、森林203、その他763)
却下 85件
不承認 100件
取下げ 1,139件(うち有効活用の見込みが生じた586件、却下・不承認と判明した405件)

表は法務省の統計(速報値) ※1 によります。取下げの理由には、自治体や国の機関による有効活用の決定、隣接地の所有者からの引き受けの申出などが挙げられています※1

出典:※1 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」

申請できない土地・承認されない土地

法律は、建物がある土地、担保権などが設定された土地、通路など他人の使用が予定される土地、土壌汚染のある土地、境界が明らかでない土地などは申請できないと定めています(第2条第3項)※3。法務省の統計で多い却下・不承認の理由は次のとおりです※1

区分 主な理由(件数)
却下 添付書類の提出がなかった(37)、境界が明らかでない(23)、現に通路に使われている(22)、申請の権限がない(10)、建物がある(4)
不承認 管理や処分を妨げる工作物・車両・樹木などが地上にある(46)、国による追加の整備が必要な森林(37)、国が管理費以外の金銭債務を負う土地(12)、災害防止の措置が必要(11)

1つの事件で複数の理由がある場合があります※1

出典:※1 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」、※3 e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」

費用:審査手数料と負担金

審査手数料は、申請する土地1筆ごとに1万4,000円です※2。承認されると、10年分の管理費用を考えて算定した負担金を納めます(法第10条)※3

土地の区分 負担金
下の区分以外の土地(市街化区域外の宅地など) 20万円
市街化区域などの宅地 面積に応じて算定(例:50平方メートル以下は面積×4,070円+20万8,000円、100平方メートル超200平方メートル以下は面積×2,450円+30万3,000円)
市街化区域・農用地区域などの農地 面積に応じて算定(例:250平方メートル以下は面積×1,210円+20万8,000円)
森林 面積に応じて算定(例:750平方メートル以下は面積×59円+21万円)

表は相続土地国庫帰属法施行令(第3条・第5条) ※2 をもとに編集部がまとめたものです。東急リバブルも、審査手数料は1筆1.4万円、負担金の基本額は1筆ごとに20万円と説明しています※4。SUUMOは、数十万円の費用負担で固定資産税や管理責任から解放されるメリットを強く感じる場合に有効な手段になるとしています※5

出典:※2 e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令」、※3 e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」、※4 東急リバブル(Lnote)「空き家を手放したいなら早くすべき!5つの処分方法と注意点」、※5 リクルート(SUUMO)「売れない土地はどうすればいい?原因別の対策から手放すための最終手段まで徹底解説!」

申請の前に確かめること

  1. 相続(遺贈)で取得した土地か。共有なら共有者全員で申請できるか
  2. 建物がないか(あれば取り壊す)、境界が明らかか(確定測量や境界確認)
  3. 通路として使われていないか、担保権が付いていないか
  4. 工作物・車両・樹木など、管理を妨げる物が残っていないか
  5. 国庫帰属より先に、隣地の人への売却や買取業者への売却ができないか

手順は法律 ※3 と法務省の統計 ※1 をもとに編集部が整理したものです。申請の手引きや負担金の詳細は法務省のページで公開されています※6

法令の記述は2026年9月時点で有効な条文(e-Gov法令検索)、件数は法務省の統計(令和8年8月31日現在の速報値)で確認したものです。

出典:※1 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」、※3 e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」、※6 法務省「相続土地国庫帰属制度について」

よくある質問

相続土地国庫帰属制度の費用はいくらですか?
審査手数料が1筆1万4,000円、承認されると負担金を納めます。負担金は原則20万円で、市街化区域の宅地や一部の農地・森林は面積に応じて算定されます。
どんな土地が却下されやすいですか?
法務省の統計では、添付書類の不足、境界が明らかでない土地、通路として使われている土地などの却下が多くなっています。
建物がある土地は引き取ってもらえますか?
建物がある土地は申請できません。取り壊してから申請する必要があります。

出典

  1. 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」(令和8年9月16日公表(令和8年8月31日現在の速報値)) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html /確認日 2026-09-20
  2. e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令」(令和5年4月27日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/504CO0000000316 /確認日 2026-09-20
  3. e-Gov法令検索「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和7年6月1日施行時点) https://laws.e-gov.go.jp/law/503AC0000000025 /確認日 2026-09-20
  4. 東急リバブル(Lnote)「空き家を手放したいなら早くすべき!5つの処分方法と注意点」(2025年4月15日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/s42121/ /確認日 2026-09-20
  5. リクルート(SUUMO)「売れない土地はどうすればいい?原因別の対策から手放すための最終手段まで徹底解説!」(2026年6月5日公開) https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260605/001 /確認日 2026-09-20
  6. 法務省「相続土地国庫帰属制度について」(2026年9月閲覧) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html /確認日 2026-09-20
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