底地の相続税評価:貸宅地の計算方法と、売れる価格との差
底地(貸宅地)の評価のしかた
| 借地の種類 | 底地の評価額 |
|---|---|
| 普通の借地権 | 自用地としての価額 − 自用地としての価額 × 借地権割合 |
| 借地権の取引慣行がない地域 | 借地権割合を20%として計算する |
| 定期借地権等 | 原則は「自用地としての価額 − 定期借地権等の価額」。ただし、この額が「自用地としての価額 − 自用地としての価額 × 残りの期間に応じた割合(5年以下5%、10年以下10%、15年以下15%、15年超20%)」を上回る場合は、後者の額 |
| 一時使用目的の借地権 | 自用地としての価額 − 一時使用目的の借地権の価額 |
表は国税庁「No.4613 貸宅地の評価」によります※1。「借地権割合」は国税庁の路線価図・評価倍率表で確かめられ、路線価図ではAからGの記号で90%から30%まで示されています※3。
東急リバブルも、貸宅地の価額を「自用地評価額 ×(1 − 借地権割合)」で求め、借地権の取引慣行がないと認められる地域では借地権割合を20%として計算すると説明しています。路線価図に「500C」とあれば、500は1平方メートルあたりの路線価(千円単位)、Cは借地権割合70%を示します※4。
出典:※1 国税庁「No.4613 貸宅地の評価」、※3 国税庁「路線価図の説明(財産評価基準書 路線価図・評価倍率表)」、※4 東急リバブル(Lnote)「借地権割合とは?調べ方や相続税評価額との関係を解説」
計算の例
国税庁の路線価図の説明にある計算例の土地(自用地の価額203,700,000円、借地権割合70%の「C」)が底地だった場合、評価額は次のようになります。
| 自用地の価額 | 203,700,000円 |
|---|---|
| 借地権の価額 | 203,700,000円 × 70% = 142,590,000円 |
| 底地(貸宅地)の評価額 | 203,700,000円 − 142,590,000円 = 61,110,000円 |
自用地の価額と借地権の価額は国税庁「路線価図の説明」の計算例※3、底地の評価額は国税庁No.4613の算式※1に当てはめた編集部の計算です。
SUUMOも、路線価図に「510C」とあればCは借地権割合70%を示すので、底地の評価額は自用地の評価額の30%になるという例を示し、底地は一般的な土地より相続税の評価が低く、借地権のほうが高く評価されると説明しています※5。
出典:※1 国税庁「No.4613 貸宅地の評価」、※3 国税庁「路線価図の説明(財産評価基準書 路線価図・評価倍率表)」、※5 リクルート(SUUMO)「「底地」の意味とは? 「借地」との違いは? 底地の売却、買取の相場、底地購入のメリット・デメリットまでわかりやすく解説」
評価額と売れる価格の差に注意
上の例では、底地の評価額は自用地の価額の30%です。一方、三井のリハウスは、底地の買取相場を更地価格の1〜5割程度、第三者に売る場合は1割程度としています※2。借地人以外に売ろうとすると、相続税の評価額より安くしか売れない場合があるということです(編集部の整理です)。
三井のリハウスも、底地を売って現金で相続するより、底地のまま相続するほうが相続税の負担が大きくなる可能性があり、ただし相続財産の状況や基礎控除によって相続税がかからないこともあるため、税理士などの専門家に相談して決めると安心だと説明しています※2。
SUUMOは、第三者に売る場合の底地の買取相場を更地価格の10〜15%程度としています※5。三井のリハウスの1割程度よりやや高いものの、上の例の評価額(自用地の30%)を下回る水準であることは変わりません(編集部の整理です)。
三井のリハウスは、概念上は「借地権価格+底地価格=更地価格」と考えられるものの、実際には両方を足しても更地価格に満たないことが一般的だとしています※6。評価額の算式どおりの値段で売れるとは限らないということです(編集部の整理です)。
出典:※2 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「底地の買取相場は?売却価格を左右するポイントや注意点を解説」、※5 リクルート(SUUMO)「「底地」の意味とは? 「借地」との違いは? 底地の売却、買取の相場、底地購入のメリット・デメリットまでわかりやすく解説」、※6 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「地代の相場はいくら?借地権ごとの計算方法や調べ方も解説」
無償返還の届出や相当の地代がある場合
土地の無償返還に関する届出書が出されている貸宅地や、権利金を受け取らずに相当の地代を受け取っている貸宅地は、自用地としての価額の80%で評価します※7。会社と個人の間の借地で使われる扱いです。くわしくは借地権の認定課税で説明しています。
税務の記述は、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)と個別通達にもとづいています。申告は税理士に相談してください。
出典:※7 国税庁「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(個別通達)」
よくある質問
- 底地の相続税評価額はどう計算しますか?
- 普通の借地権が付いた底地は、自用地としての価額から、自用地としての価額に借地権割合を掛けた額を引いて求めます。
- 借地権割合がない地域の底地はどう評価しますか?
- 借地権の取引慣行がないと認められる地域では、借地権割合を20%として計算します。
- 底地は相続前に売ったほうがよいですか?
- 三井のリハウスは、底地は時価より相続税評価額が高くなる傾向があり、相続前の売却を検討するのも一案だとしています。ただし相続税がかからない場合もあるため、税理士に相談して決めてください。
出典
- 国税庁「No.4613 貸宅地の評価」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4613.htm /確認日 2026-09-20
- 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「底地の買取相場は?売却価格を左右するポイントや注意点を解説」(2024年11月18日更新) https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0312/ /確認日 2026-09-20
- 国税庁「路線価図の説明(財産評価基準書 路線価図・評価倍率表)」(令和8年分) https://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm /確認日 2026-09-20
- 東急リバブル(Lnote)「借地権割合とは?調べ方や相続税評価額との関係を解説」(2026年5月14日更新) https://www.livable.co.jp/l-note/question/999/ /確認日 2026-09-20
- リクルート(SUUMO)「「底地」の意味とは? 「借地」との違いは? 底地の売却、買取の相場、底地購入のメリット・デメリットまでわかりやすく解説」(2024年11月19日更新) https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/sokochi/ /確認日 2026-09-20
- 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)「地代の相場はいくら?借地権ごとの計算方法や調べ方も解説」(2026年4月28日公開) https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0394/ /確認日 2026-09-20
- 国税庁「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(個別通達)」 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/850605/01.htm /確認日 2026-09-20
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出典:株式会社ネクスウィル「ワケガイ 公式サイト(よくあるご質問・物件カテゴリ)」(確認日 2026-09-20)